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スナップショットでサーバーのデータは守れる? 仕組みやメリット・デメリットも解説

サーバーには、企業の機密情報や顧客情報など、さまざまな情報が保管されています。しかし、ウイルス感染や不正アクセスなどの外部攻撃や人的ミス、システムの故障によってサーバーのデータが消失するリスクもあり、バックアップの実施は欠かせません。

バックアップの方法として、ある時点でのデータをすべて複製するフルバックアップが一般的です。バックアップに関連した方法として“スナップショット”という技術もよく紹介されています。

しかし、「スナップショットとはどのような技術か」「サーバーのバックアップに役立つのか」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、スナップショットの概要やメリット・デメリットを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.スナップショットの仕組み
  2. 2.スナップショットとフルバックアップの違い
  3. 3.スナップショットのメリット
    1. 3.1.①短時間で作成できる
    2. 3.2.②サーバーがウイルス感染した際の対処法として役立つ
    3. 3.3.③少ないデータ量で保存できる
  4. 4.スナップショットのデメリット
  5. 5.まとめ


スナップショットの仕組み

スナップショットとは、一瞬を捉えるスナップ写真のように、サーバーのデータを一時的に保存する技術です。

サーバー内のデータをすべて保存するのではなく、特定の瞬間を切り抜いて同一ストレージ内に保存する仕組みです。データを誤って削除してしまった際に使用する復元機能の役割を果たします。

実際にスナップショットを取得する際は、データの不整合・破損を防ぐためにサーバーの稼働を停止した状態で実施する必要があります。



スナップショットとフルバックアップの違い

スナップショットとフルバックアップの違いには、データの保存先や取得時間、元データが消失した場合の復元可否に違いがあります。


項目
スナップショット
フルバックアップ
保存先
同じストレージ内
  • 外付けHDD
  • オンラインストレージ など
取得時間
短時間
長時間
元データが消失した際の復元
不可能
可能


フルバックアップは、全部のデータを複製して外付けHDDやオンラインストレージなど、元データとは異なる場所に保存する方法です。

スナップショットは部分的にデータを保存するため、フルバックアップよりは比較的短時間で取得できます。

ただし、スナップショットの場合は、サーバーに障害・故障が発生して元データが消失したときに復元ができません。そのため、スナップショットをサーバーのバックアップのような感覚で利用するのは避けたほうがよいといえます。



スナップショットのメリット

スナップショットには、主に以下の3つのメリットが挙げられます。


  1. 短時間で作成できる
  2. サーバーがウイルス感染した際の対処法として役立つ
  3. 少ないデータ量で保存できる


①短時間で作成できる

スナップショットは、データの変更を逐次的に記録する「差分バックアップ」の一種です。 データの一部を抜き出すため、すべてのデータを保存するフルバックアップよりも短時間で作成が完了します。

データ量の増加に伴ってバックアップにかかる時間が長引いて、予定していた時間内に終わらないといったケースも考えられます。

しかし、スナップショットを利用すれば、データ保存の待ち時間の短縮が可能です。


②サーバーがウイルス感染した際の対処法として役立つ

スナップショットは、誤ってファイルを削除した場合や、破損してしまった場合も、簡単に復元が可能です。 同様にウイルスに感染した際の対処法として有効です。

近年は、セキュリティの脆弱性に乗じて、ランサムウェアをはじめとしたウイルス感染による被害が発生しています。

スナップショットを取得した時点のデータを復元できるため、ウイルス感染した場合でもデータを以前の状態へ戻せる可能性が高まります。

しかし、ウイルス感染した場合、データにアクセスできなかったり、データが消失してしまったりする被害も考えられます。そのため、スナップショットは対処法の一つとして考え、フルバックアップなどほかの方法でのバックアップも適宜行うことが大切です。



③少ないデータ量で保存できる

サーバーに保存されるデータ量が増加傾向にあるなかで、スナップショットを利用すれば少ない容量で保存できます。

スナップショットを取得した際の保存容量は、元データの1〜2割程度です。保存容量の消費が少なければ、ディスクの消費量を抑えられるほか、データの重さが原因で発生するシステムトラブルのリスクも軽減できます。



スナップショットのデメリット

先述のとおり、スナップショットはある瞬間のデータを同一ストレージ内に保存するため、元データを失うと復元できません。変更前の状態を一時的に保存しておく手段としての利用をおすすめします。

またその他にも下記のようなデメリットがあげられます。

  • データの完全なコピーではないため、すべてのデータを復元できない場合がある
  • ディスク容量を消費する
  • 元データに変更を加えてしまうと、スナップショットの内容も変更される
  • データの損失を完全に防ぐことはできない

サーバーのデータを守るには、遠隔地にデータを複製した別のサーバーを設置して、元データの更新と同時に別サーバーのデータも更新される“レプリケーション”を導入するのも一つです。

サーバーのリスク管理に大切なレプリケーションとバックアップの違いについてはこちらで詳しく解説しています。併せてご一読ください。

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まとめ

この記事では、スナップショットについて以下の内容を紹介しました。


  • スナップショットの仕組み
  • スナップショットとフルバックアップの違い
  • スナップショットのメリット・デメリット


スナップショットのメリットは、ほかのバックアップ方法より作成時間が短く、消費するデータ量も少ない点です。変更を加える前の一時的なデータの保存方法としてはもちろん、ウイルスに感染した場合の対処法としても活用できます。

ただし、スナップショットは元データが消失すると復元ができません。また、復元できてもスナップショットを取得したときから期間が空いていれば、空白期間のデータは保存されていないことになります。

サーバーのデータを守るためにはスナップショットやフルバックアップの実行だけでなく、社外にも別のサーバーを設置してリスク分散することをおすすめします。

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