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HPCとは?基本的な概要から活用例まで解説


昨今では、IT技術の進歩により、膨大なデータの効率的な運用が求められています。そこで注目を集めているシステムが、HPC(High Performance Computing:ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)です。

HPCは特定の研究開発分野で利用されているイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、近年はさまざまな分野で活用されるようになってきました。

本記事では、HPCの概要やその重要性とともに、3つの活用例を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.HPCとは
  2. 2.HPCの重要性
    1. 2.1.①ビッグデータを効率的に活用できる
    2. 2.2.②物理テストにかかるコストを削減できる
  3. 3.HPCの3つの活用例
    1. 3.1.①創薬
    2. 3.2.②金融サービス
    3. 3.3.③航空宇宙
  4. 4.まとめ
    1. 4.1.AIやHPCを活用したお客様のビジネスの加速を支援



HPCとは

HPCとは、複雑な計算や大量のデータ処理を高速で行えるシステムのことです。新聞やテレビのニュースなどでよく耳にする、スーパーコンピュータもHPCの一種です。

ノートパソコンやデスクトップパソコンなどの一般的なコンピュータが、毎秒数十億の計算を行えるのに対して、HPCはものによっては1秒間に数千兆もの計算を高速で実行できます。そのため、高性能コンピューティング、あるいは高性能計算ともよばれています。

なお、HPCを利用するにはサーバーが必要です。大量のデータを高速で処理するには、従来よりも多くの電力と高密度なサーバーに耐える床荷重が求められます。そのため、データセンターの需要がますます高まっています。


HPCの重要性

HPCの活用は、ビジネスに多くのメリットをもたらします。

ここからは、HPCの重要性を2点挙げて解説していきます。


①ビッグデータを効率的に活用できる

ビッグデータを効率的に活用するには、HPCの利用が欠かせません。

AIやIoTの登場、SNSの普及、モバイルデバイスの発達といったIT技術の進歩により、多様で膨大なデジタルデータが世界中のネットワークに蓄積しています。このデジタルデータのことを、ビッグデータと言います。

ビッグデータを製品の開発や事業戦略の立案をはじめとする企業の経営に活用するには、高速で処理しなければなりません。しかし、データ量の急増により、従来のコンピュータの処理速度では対応が難しくなりつつあります。

HPCであれば、ビッグデータの収集と分析を高速で行えるため、競合に後れをとることなく効率的に活用できます。


②物理テストにかかるコストを削減できる

物理テストが必要なくなるため、コストを削減できる点も、HPCの重要性として挙げられます。なぜなら、HPCを活用してシミュレーションを行えば、物理テストが不要になるためです。

たとえば、自動車事故のテストでは、実物を用いて衝突テストを実行するよりも、HPCを用いてシミュレーションを実行するほうが安価で安全です。ほかにも、建物の耐震テストを実施する際にHPCでシミュレーションすれば、従来のように縮小モデルを作成したうえで、実際の地震と同じ震度を発生させてテストする必要がありません。

このようにHPCを活用すると、物理テストにかかっていたコストや手間を削減でき、生産性の向上につながります。


HPCの3つの活用例

現在、HPCはさまざまな分野や業種で活用されています。

ここでは、HPCの活用例を3つ紹介します。


①創薬

HPCは創薬研究において、分子シミュレーションやドッキングシミュレーション、ゲノム解析など、さまざまな分野で活用されています。

HPCを活用して化合物の組み合わせをシミュレーションすれば、薬が完成するまでのプロセスを短縮できます。

新薬を開発するにはデータの分析や診断に時間を要するため、通常少なくとも数年はかかります。しかし、新型コロナウイルスによるパンデミックの際にHPCを活用したところ、適切な医薬品の開発をわずか数ヶ月に短縮することができます。

HPCは新薬の開発にも重要な役割を担っており、ワクチンの作成や革新的な治療法の開発にも貢献しています。

②金融サービス

金融業界では、HPCを用いることで、運用効率の向上や金融市場のモデリング、リスク管理、セキュリティ強化に成功しています。

具体的には、HPCを活用してリアルタイムの株価動向を分析し、取引の自動化を実現しています。高速データ処理によって、クレジットカード取引時の不正取引の検出も可能です。

また、HPCを活用して高速で金融機関のネットワークトラフィックを処理・分析することによって、サイバー攻撃の兆候を検出することもできます。


③航空宇宙

航空宇宙産業においては、HPCの活用が次世代の高性能航空機の設計を後押ししています。

高性能航空機を構築するには、乱気流への反応といった非常に高度なシミュレーションが必要です。HPCを用いてシミュレーションを行えば、翼の長さや厚み、形状などの変化を柔軟にテストできます。

数千もの複雑な計算を実行することで、高性能航空機に必要なデータを取得し、次世代の航空機の設計に役立てています。


まとめ


この記事では、HPCについて以下の内容を解説しました。

  • HPCとは
  • HPCの重要性
  • HPCの3つの活用例

HPCは、一般のコンピュータよりも速いスピードで大量のデータを処理し、複雑な計算を行えるコンピュータです。

HPCを活用すると、高速処理が必要なビッグデータの収集や分析を効率的に行えます。また、シミュレーションを高速で実行できるため、物理テストにかかるコストや手間の削減が可能です。

なお、HPCを利用するには、サーバーが必要です。膨大なデータを高速で処理するため、従来のサーバーよりも消費電力と発熱量が増加します。くわえて、大量の電力を安定供給する電源ユニットやストレージなどの重量を支えられる床も重要です。

自社にHPCのサーバーを置くとなると、上記の条件をクリアする必要がありますが、HPCに対応した最新鋭のデータセンターであれば、安心して運用できます。HPCの導入をお考えなら、MCデジタル・リアルティのデータセンターをご利用ください。


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